「・・・。」
「あら? ライダー、珍しいわね。貴女がホームページを見るだなんて」
「えぇ、図書館で見知った陸の運送屋と名乗る方に教えて頂いた興味深い事件がありまして」
「興味深い事件?」
「そうです。最近、テレビを見るにつけ、どうもおかしいと思うようになったんです」
「おかしいって・・・何が?」
「例えばサクラの場合、料理番組をよく見るわけですが、それは何のためです?」
「そうね、やっぱり先輩に美味しいお料理を食べてほしいし、レパートリーを増やしたいからかな」
「そうです。つまり、サクラは色々な料理番組を見ることで、レシピという「情報」を手に入れているわけですね」
「そう・・・なるのかな?」
「そうです。しかし、その全てが正しいというわけではなければ、全ての情報が手に入るわけでもないのです」
「ふーん・・・難しい話になってきたわね。それで、ライダーの言う興味深い事件っていうのは?」
「ん、話がそれてしまいましたね。この事件はテレビに取り上げられない事件の一つです」
「うん」
「インド船籍のhebei Sprit号という船が韓国のクレーン船と衝突し、重油が流出してしまった事件です」
「あら、大変ね」
「えぇ、大変です」
「・・・」
「・・・」
「そ・・・それで? 何が大変なのかしら?(汗)」
「ありがとうございます、サクラ。このまま終わってしまうかと思ってしまいました」
「らいだぁ?」
「え、えーと、韓国への航路が全滅になる恐れがある、ということです」
「全滅?」
「えぇ。」
「まさか。そんなことって」
「サクラ。貴女は知らないだけです。そしてそれは貴女だけではない」
「な・・・なに? いきなり」
「冬木の街に限らず、日本は平穏無事に過ごせているように思えますが、実はそうではない」
「世の中は私の居た時代とは違い、信じられないほどのスピードで目まぐるしく推移しているのです」
「そういうものかしら・・・」
「そうです。」
「ただいまー」
「ただいまー」
「おや、お帰りなさい、リン、シロウ」
「なんか空気が重いわね、何の話をしていたの?」
「世の中の流れとhebei Spirit号事件についてです」
「あら、難しい話をしていたのね」
「あぁ、あの事件か・・・」
「あら、衛宮くんが知ってるとはね」
「失礼だな。とはいえ、俺もついさっき知ったばかりなんだけどな」
「と、言いますと?」
「ああ、なんでも陸の運送屋とか名乗る奴から、こんなビラをもらったんだ」
「見せていただけますか?」
「あぁ、いいよ」
「えーと・・・このページはHebei Sprit号事件をSS仕立てで詳細に検証していくページです・・・なんですかね、これは?」
「まだあるぞ・・・普通の授業形式でも出来る限り検証します、だとさ」
「ふむ、どうやらホームページで解説するようですね」
「どうやらそうみたいだな」
「それでは、事件の内容を詳しくみていきましょうか」




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