一審判決および二審判決


「さて、今回は海事審判の一審判決についてです」
「ふむ・・・事故、とりわけこれだけ大きな海難事故だ。裁判があって当然だな」
「そうです。どちらの非がより大きいのか。賠償、補償請求関係の有無を決める為に、裁判にかけられるのは当然ですね」
「(過去の英雄に裁判の概念を語られるとはね・・・)」
「何か言いましたか? リン?」
「いいえ? 何も無いわ(汗)」
「ならば話を続けましょう」
「まずは一審判決だな。結論から言うと、タンカー側は無罪だ」
「早いわね(汗)」
「(正味、一審にツッコミ所が無いばかりか正当過ぎて彼の国らしくなくてなぁ・・・これといった資料もないし)」
「何か言った?」
「いや、何も?」
「でも、ちょっと待って?」
「どうした? マスター?」
「前回、韓国側ってタンカー側に有罪判決を出した、とか言ってなかったかしら?」
「あぁ、それは二審判決ですね」
二審判決?」
「おそらく何処の国も似たようなものだと思うが、韓国もどうやら三審制を取っているようだ」
「なるほどね」
「それで一審の資料は見当たらんが、タンカー側無罪、タグボート側有罪、という話で・・・」
二審でタンカー側有罪が出た、ということね」
「でも、なんで二審でタンカー側が有罪になったんだ? 落ち度は何も無いんだろ?」
「その通りです。タンカー側は指定の停泊地に錨泊していましたし、ぶつけられた時にも海難事故における処置を取りました」
「だが、二審判決では適切な処置を取っていれば被害はもっと少なく済んだハズだ、と裁判官は判断したようだ」
「え? そうなのか?」
「いえ、これがまた聞くだけで無理だと判る論理なのですが・・・(溜息)」
「どういう理論なの?」
「詳しくは下記を見てくれ・・・(溜息)」



海洋安全審判院の専門家が推奨した措置は…(カッコ書きは別の専門家の判断?)

a.原油を他の油槽に移送せよ(全ての油槽は98%の満タン状態)
b.積載用油槽が満載の場合は、空のバラストタンクに原油を移送せよ(配管系統は、互いに完全に独立している)
c.韓国の大学でのテストが示したように、VLCCが18度まで船体を傾斜させたならば、原油の漏出を止める事が出来た
(船体は事故時約5度傾斜されており、風力階級6〜7(訳者注:風速換算で10.8〜17.1m)の風と、4メートルの高波に揉まれている状況下でのこれ以上の傾斜は、船の安定性を危うくするものであった。
もし船が沈んでいたならば、漏出量は10,500トンでは済まず、200,000トンもの原油が漏出していたことになったであろう
)

出典:巡る因果の猫車 著者:借りてきた猫車@スティルルームメイド ◆NuKoZMtnXM氏 URL:http://ameblo.jp/neko-guruma/entrylist.html
参考URL(英語版)


「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
(*゚ロ゚)ハッ!!
なんなのよ! このアホな論理は!
何故に俺!?Σ( ̄□ ̄;)









































え〜。毎度お馴染み血の惨劇です。
何故か衛宮士郎が理不尽凛ちゃんにボコられてます。
今少々、お待ち下さい










































「リン、さすがにそれは理不尽なのでは?(汗)」
「いや、いい暴れっぷりだな、マスター(笑)」
「ぜぇ〜、はぁ〜・・・」
「何故俺が・・・orz」
「(軽くスルー)それで?」
「ん? なんです?」
「こんなアホな論理を出したからには、それなりの理由があるんでしょうね?(据わった目)」
「う〜ん・・・(困惑)」
「あるような・・・ないような・・・(困惑)」
「どっちなのよ!(怒)」
「あるにはあるんですが、言うのは憚れるんですよねぇ・・・」
「まぁ・・・いずれは判る事だし、いいんじゃないか? 話しても?」
「ならば、アーチャー。貴方がどうぞ」
「いやいや、既にこの身は英霊。俗世の事には関わりを持たぬが宿命・・・君の方が詳しかろう」
「いえいえ、私は貴方ほどこの世に詳しいとは思えません。前世自体が現代の貴方の方が・・・(-ω☆)キラリ」
「あんた達・・・いい加減にしないと・・・シメるわよ?(怒)」
「やれやれ・・・いいか、マスター。結論から言おう。企業のためだ」
「は!?」
「リン、タグボート側の企業、覚えてますか?」
「えーと、確かサムスンだったかしら?」
「そうです。そしてそのサムスン社は韓国の経済の柱となっている会社です」
「ちょっと待って。まさかそのサムスンを助けるために・・・?」
「弾丸特急クレーン船に突撃され、被害を受けたタンカー側の船長たちが謂れ無き罪を被った、ということだ」
・・・
「待て、マスター! その釘付きバットを仕舞え!!(滝汗)」
「まぁまぁ、落ち着いてください、リン」
「そうね・・・なんか納得いかないけど・・・」
「ε-(´∀`*)ホッ」
「納得いかないのは貴女だけじゃありませんよ、リン」
「え?」
「私やアーチャーもそうですが、筆者や東亜板の固定HN諸氏も相当頭に来ています」
「ココでカン違いして欲しくないのは、何も関係諸氏が韓国嫌いだから、という理由だからではない」
「本質的には韓国は嫌いでしょうが―少なくとも、筆者は嫌いですが―事実を捻じ曲げ自分に都合のいい方に曲解、解釈して物事を進める輩が許せないだけです」
「自分の仕事に誇りを持ち、職務を遂行せんと頑張ってる人に対して愚弄する真似だけは断じて許し難い
「(うゎ、普段温厚なアーチャーとライダーがココまで怒るところなんて初めて見たわ・・・)」
「それでは、先ほどの検証ですが・・・ちょっとだけ解説しましょう」
「本命は後に取ってある・・・デザートは極上のスイートを約束しよう」
「(うぁ、アーチャーの目が笑ってない・・・怖!)」
「まずは、先ほどの引用文を見てみましょう」

海洋安全審判院の専門家が推奨した措置は…(カッコ書きは別の専門家の判断?)

a.原油を他の油槽に移送せよ(全ての油槽は98%の満タン状態)
b.積載用油槽が満載の場合は、空のバラストタンクに原油を移送せよ(配管系統は、互いに完全に独立している)
c.韓国の大学でのテストが示したように、VLCCが18度まで船体を傾斜させたならば、原油の漏出を止める事が出来た
(船体は事故時約5度傾斜されており、風力階級6〜7(訳者注:風速換算で10.8〜17.1m)の風と、4メートルの高波に揉まれている状況下でのこれ以上の傾斜は、船の安定性を危うくするものであった。
もし船が沈んでいたならば、漏出量は10,500トンでは済まず、200,000トンもの原油が漏出していたことになったであろう
)

出典:巡る因果の猫車 著者:借りてきた猫車@スティルルームメイド ◆NuKoZMtnXM氏 URL:http://ameblo.jp/neko-guruma/entrylist.html
参考URL(英語版)The shipping industry seeks level playing field for Hebei Spirit URL:http://justiceforhebeispirit.blogspot.com/2008/12/5-basic-points-in-official-imstkmst.html



「さっきの引用文ね・・・この海洋安全審判院って何なの?」
「話せば長くなるが、要は韓国の海洋関係の機関だと思ってもらえればいい」
「まず、aの「原油を他の油槽に移送せよ」ですが・・・」
「輸送中のタンカーに余分なスペースがあるわけなかろう。あればその分の原油を積むに決まっている」
一蹴ですね」
「次にbの「積載用油槽が満載の場合は、空のバラストタンクに原油を移送せよ」だが・・・」
「カッコ書きの配管系統は互いに完全に独立している、で、これまた一蹴ですね」
「ちょっと待って、バラストって何?」
「バラストとは、重りのことだ。タンカーはその性質上、大量の原油を積む訳だが空荷の時は当然浮力が強く働く
「浮力が強く働くということは、それだけ重心も上がりますので転覆する確率が高くなるのです」
「バラストは様々な形態があるが、タンカーの場合は海水を注入して重りとし、タンカーを安定して運航出来るようにするのだ」
「重心の上がったタンカーなどの重輸送船はプロペラなども水面近くをバシャバシャやるだけで全く効率が悪くなります。同じ理由で舵も利きづらくなるそうです」
「ふむ・・・」
「次にCですね・・・「韓国の大学でのテストが示したように、VLCC(タンカー)が18度まで船体を傾斜させたならば、原油の漏出を止める事が出来た」ですか・・・(呆)」
「18度・・・か。それがどんな急角度か、一度味わってみるがいいわ」
「筆者曰く『傾斜角18度で仕事をしろ、と言われたら、クビ上等で迷わず泣くまで殴る蹴るどつく!!泣いても赦さん!!。゚゚(´□`。)°゚。ワーン!!』だそうですが・・・(汗)」
「まぁ、毎日泣きたくなるほどの階段と坂の往復の仕事だからな・・・無理もあるまい」
「筆者の擁護をするつもりはありませんが、冗談抜きで傾斜角18度は凄い角度です・・・100m先が18m下っているという事は、ビル6階分に相当します」
ビル6階分・・・(汗)」
「当然、その間はクレーン船がタンカーの船体をガンガン打ちつけている訳だが・・・」
「え? 衝突は1回じゃないの?」
「何を言っている? マスターらしくもない」
「リン、クレーンにはフックが付いているでしょう。当時は4mの高波に揉まれている状態ですし、フックを固定しているロープなんて簡単にちぎれても可笑しくありません」
「あぁ、そっか! フリーになったフックがタンカーの船体を・・・」
「そういうことです。他の資料ですが、こんな資料があります」



資料提供:借りてきた猫車@スティルルームメイド ◆NuKoZMtnXM氏 URL:http://ameblo.jp/neko-guruma/image-10210981167-10142969514.html
元サイト:The shipping industry seeks level playing field for Hebei Spirit URL(英文):http://justiceforhebeispirit.blogspot.com/2008/12/5-basic-points-in-official-imstkmst.html

「これは・・・(呆)」
「見るも無残、とはこの事だな」
「これだけの大穴を3箇所も空けて、わずか10,000t程度の原油流出で済んだのは僥倖・・・いえ、船長達の奮闘あったればこそ、でしょうね」
「うむ、大型タンカーを2人だけでクレーン船のフックがガンガン打ち付けている間も歯を食いしばって奮闘する姿が垣間見えるな」
「前回もご紹介した南冥さんのブログの中でも、このような記述がありました」



(前略)
あくまでも想像でしかないが、クレーンのフックがぶつかったんじゃあるまいか??
クレーンバージの大きさから言って、フックの大きさは高さが3m超えるかも知れない。
重さ3tとか5tとかだろう。
これが振り子の原理で、舷側に高速度でぶつかった。

出典:「ウェブリログ」著者:南冥氏 http://nanmei.at.webry.info/200712/article_3.html



3t〜5tのフックが荒波に揉まれてガンガン打ち付ける状況で・・・」
船体を5度に保ち、原油流出はともかく沈没を免れた
「しかも船員は殆ど下船していて船長と航海士2人だけ・・・」
「改めてHebei Spirit号の船長と航海士の奮闘に敬意を表するしかありませんね・・・」
「船長達の活躍は判ったけど、それとサムスンがどう関係するの?」
「む、そうだったな」
「これだけ大きな海難事故になると、支払う賠償金が相当多額になることは自明ですよね?」
「そりゃまぁ、そうでしょうね・・・って、まさか!?
「うむ、たぶん、そのまさかだろうな」
「えぇ、きっとそのまさかですね」












































保険にすら入ってないっていうの!? あの馬鹿どもは!!













































「あまりに馬鹿馬鹿しくて解説するのも嫌になるのだが、全く以ってその通りだ」
「当初、いくらなんでもクレーン船も保険に入っているだろう、と言われていました」
「ちょっと待って・・・頭痛がしてきたわ」
「しかし、よくよく調べてみるとクレーン船の保険は片道分だけで往復分ではなかったらしい・・・そして事故は復路で起きた」
「そもそもが保険に入っていたとしても、その膨大な金額に下手をすると保険会社が潰れてしまうかもしれませんでした」
「ねぇ? ちょっと聞きたいんだけど?」
「どうした? マスター?」
保険会社の名前、教えてくれるかしら?(極上の笑顔)」
「フ・・・察しが良いな、マスター」
「おそらく、リンの考えてる事は正解です」












































やっぱりサムスンか(#゚Д゚)ゴルァ!!












































「ふーっ、ふーっ・・・」
「落ち着きましたか? リン?」
「なんとか・・・」
「フ・・・安心しろ、マスター」
「どこが安心できるって言うのよ!!!」
「前回の授業でも解説しましたが、この事件は余りにも多くの関連部署に衝撃を与えています」
「自動車事故で言ってみれば0−100の事故で何故か被害者のほうが有罪とされたんだから、それは当然だろうな」
「その結果、韓国への海運は余りにも危険と判断され、代替港への転換が進められているという話があります」
「正味、安いだけがとりえのハブ港だったのに危険付加を付けられ、運賃が上昇してしまってはお手上げだ」
危険価値?」
「ああ、本来、運賃とは燃料、人件費、保険料などを勘案して決められるものだが・・・」
「この保険料が曲者だったりします」
「簡単に言えば、安全な所に行くには安く、危険な所に行くには高い保険料が必要だ、ということだ」
「それは判るけど・・・」
「先ほどの関連部署の一つに、ロイズという保険会社があります・・・正確には保険会社という訳ではないのですが」
「ロイズ?」
「普通の人には馴染みが無いのも無理は無い。保険会社の再保険の引き受け先・・・簡単に言えば『保険会社の中の保険会社』という所だな」
「再保険というのは、大きな保険事故が起こった時の為に保険会社が支払いリスクを極力減らすために他の保険会社にも責任を引き受けてもらうコトです」
「本来の保険料もさることながら、ロイズに目をつけられると非常に厄介だ」
「ココで、東亜板で港の仕事をしているという港の仕事人氏の見解を見てみましょう」



ロイズ(lloyds)
海運は勿論大きな保険を取りまとめる保険設計協会というべき組織。
ようは保険料とサービスを決める所
今回の件は保険金もさることながら、保険システムそのものの危機に対し何らかの策を講じている模様。
正直私は上の5つ全てよりもこいつが怖い。
やると決めたら、その国が餓えようがなんだろうが倍プッシュをかけてくる


出典:「韓国経済まとめwiki Hebei Spirit号 原油流出事故」より URL: http://toanews.info/index.php?cmd=read&page=Hebei%20Spirit%E5%8F%B7%20%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E6%B5%81%E5%87%BA%E4%BA%8B%E6%95%85&alias%5B%5D=%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E6%B5%81%E5%87%BA%E4%BA%8B%E6%95%85#j1e2aa56



「うゎ・・・」
「倍プッシュとは凄いですね・・・」
「ちなみに韓国への保険料は未だ決めかねているのが実情だろうが、東亜板在住の人たちによれば『コリアプレミアム』がつくだろうと言われている」
「コリアプレミアム?」
「プレミアム(Premium)とは保険料のコトです・・・要は韓国行きの船の保険料を相当引き上げるだろう、というのが大方の見方です」
「あぁ、なるほどね・・・上の5つって?」
「それは次回のお楽しみです♪」



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